外壁調査とは、外壁の現状を把握するために行う調査です。

耐久性のある鉄筋コンクリートの建物でも、時がたてば様々な要因で劣化していきます。何らかのトラブルを抱えている外壁は見た目が良くないだけではなく、強度が低下していたりする可能性が高く、重大な事故につながる可能性もあります。外壁調査は建物の状態を調べて安全を守る為に必要なものです。

外壁調査で最近注目されているのが赤外線調査です。これは赤外線カメラを用いて外壁の劣化状態を解析する方法です。建物から放射される熱エネルギーを微細レベルまで感知し、その分布を画像で表示することで、劣化が起こっている箇所を判断します。

なぜ赤外線カメラで建物のタイル浮き、モルタル浮きや剥離、剥落箇所を見つけられるかと言うと、それらの起こっている箇所は温度が高くなるからです。タイル浮き、モルタル浮きや剥離、剥落が起こっている箇所では、タイルとコンクリート等の建物の体躯の間に、熱伝導率が低い空気層ができています。そのため、熱が逃げにくくなり劣化していない箇所に比べてタイルの表面温度が高くなるのです。

赤外線調査の最大の利点は、足場を組む必要がないという点です。これによってコストの大幅な削減、納期の短期化が実現でき、また安全性やプライバシー性においても従来の方法より勝っていると言えます。

赤外線調査は従来の方法に比べて様々な点で優れた方法ですが、立地条件やタイルの種類などによっては問題を発見できない場合があります。そのようなときは従来の打診調査などを併用することで、より正確な外壁の状態が分かるようになります。