建物の壁に使われる素材としては、石膏ボードやモルタル、タイルなどがあります。
これらは家の壁を風雨から守るために機能していますが、経年とともに劣化しヒビが入ってしまうことがあります。
また経年のほかにも強い地震によって割れるケースもあります。
また表面にまでヒビが達していない状態もあり、これらを放置すると割れによって剥がれてしまうリスクがあります。
この状態を調べるものが建物診断になります。
建物診断の従来方法では、足場を組み作業員が打診棒で直接叩く打診調査が行なわれてきましたが、大規模な建物になればなるほど、作業に時間もかかりますし、それに比例して費用も増えていきます。
その一方で、建築基準法の改正により定期的に全面診断が義務付けられるようになり、診断の需要が増えています。
このため調査会社ではコスト削減と時間短縮のためにさまざまな診断方法を登場させています。
特にスタンダードになりつつあるのが赤外線カメラを使った調査で、こちらは足場を組む必要がなく、低コストかつ短期間で安全に調査を行うことができるようになっています。
また建物の屋上からロープを吊るし、そこから調査員が降りることで調査を行う無足場工法も広く採用されるようになってきています。
いずれにしても地震などが原因のモルタルのひび割れなどを確認するのであれば、赤外線による調査を行うのがもっとも早く、赤外線調査が不可能な場合には無足場工法で調査を行うのが一般的です。