建物におけるタイルなどの貼り材料の剥離落下に関しては、かつては、壁面全てにおいて打診棒を用いた打診による調査を中心として行われていました。
しかし、現在おいては、その多くが赤外線を使用することにより行われており、より精度の高い外壁調査ができるようになっています。
外壁調査を赤外線で行うメリットとしては、まず、コストが低いことを上げることができます。調査はカメラを用いて撮影をすることによって行われ、ほとんど地上から行うことができます。そのために、足場や高所作業車、また、ゴンドラなどの装備は不要になり、また、高所での作業とはならないために安全な状態で調査を行うことができます。
次に音が発生しないことがあります。調査ではカメラが外壁の温度変化を感知し、それを画像にしていく方法が取られますが、これまで数多く行われていた打診調査のように壁にそって打診棒をころがす音がせず、静かに調査を行うことができます。
3つめとしては、屋根の形状を選ばずに行えることがあります。打診方法では、ゴンドラやロープブランコを吊るす関係などから、屋根の形状がフラットではない場合には非常に難しく、また、足場が無ければ行うことはできませんでした。
しかし、赤外線を用いる方法では地上から行うことができるために屋根の形状に関係なく調査を行うことができるようになっています。
他には、プライバシーに関しての内容もあげることができます。これまでは、壁に沿って外壁面に向かい合う形で調査が行われており、どうしても室内などを見られることになってしまいプライバシーの問題もありましたが、カメラでは距離もあるために気にすることなく調査ができます。