マンションなどの高い建物は、外壁のタイルなどによる落下事故などの危険性があるので、
一定期間ごとに壁の状態を検査する必要があります。
外壁の調査報告に関する法律も、平成20年に改正され、10年ごとの報告をしないと罰金が科されるようになりました。
これは、ビル等のによる落下事故の増加が背景となっています。
外壁の状態のチェックには、業者にお願いをしなければいけませんが、どういった方法があるのでしょうか。
一般的なやり方として、全面打診法という調査の仕方があります。
これは、職人が壁をハンマーで叩いて音の反響の程度を聞き、異常がないかどうかを調べる診断方法です。
職人が一つ一つの壁を、目視できる距離で叩いて確認していくので、信頼性が高いことが特徴として挙げられます。
しかし、その分作業に時間がかかり、通常は足場を組む必要があるのでコストは高いといえます。
もう一つの方法として、赤外線調査があります。
これは赤外線カメラを用いて、建物の温度分布を測るやり方です。
遠くにカメラを設置して、広い範囲を確認できるので、作業効率が高いことが特徴です。
また、足場などを組む必要がないので、費用も安く抑えることができます。
ただ、赤外線カメラを利用する場合には、建物に断熱材などの材料が使われていないことや、
壁が乾燥状態であるなどの一定の条件の下で行わなければなりません。
建物の状態や管理状況に合わせて、最適な診断方法を選ぶとよいでしょう。