ビルやマンションなどを含む特殊建築物は、劣化した壁の落下などで事故や災害が生じないよう、
建築基準法で外壁の全面打診調査を定期的に行い報告する事を義務付けられています。
調査には打診調査や赤外線調査などがあり、竣工やリフォームをしてから10年経過した場合や、
前回の定期報告から10年経過した場合など、外壁をチェックする必要があります。
全面打診調査とは、調査専用の棒を使って壁の反響音を聞き分け、
対象となる壁面を間近で目視・触診する事により、細かく壁の劣化状況 を判断する調査方法です。
この調査法の長所は、職人がタイルやモルタルなどの外壁の状態を近い距離で見る事が出来るため、
細かなひび割れや壁の浮きが丁寧に診断できるという点にあります。
叩いた時の音の微妙な違いから、タイルと下地の浮き具合や、程度はどのくらいかなどの精度の高い調査結果が得られます。
詳細な劣化状態の調査結果を知りたい場合や、改修工事の見積もりに必要な計算を行う場合に最適な調査方法です。
建物の高所を調べる時は、足場やゴンドラなどを用意しなければならず、作業計画や下準備に費用がかかる場合もあります。
作業を短期で終わらせコストを抑えたい場合は、足場仮設が必要ないロープブランコによる無足場工法などを利用すると便利です。
屋上から特殊な作業用ロープとブランコで職人を下降させる方法で、建物と建物の間など、
足場が組めず撮影も難しい狭いスペースにも対応できます。