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外壁打診調査とは?特殊建築物の調査範囲と方法についても解説

外壁調査とは外壁のひび割れや浮きなどが劣化していないか調査することをいいます。外壁調査はどの建物でも義務化されているわけではありません。平成20年の建築基準法の改正により、特定建築物に該当する建物は定期調査の実施対象となりました。この調査を怠ると、罰金を支払はなければいけません。

今回の記事では、外壁打診調査の概要や外壁調査を行う必要性、特殊建築物の調査範囲、方法などを詳しく解説していきます。

目次

外壁打診調査の概要と必要性について

外壁打診調査とは?

外壁打診調査の必要性について

外壁調査の種類

特殊建築物は外壁調査の報告義務があるって本当?

特殊建築物とは?

報告義務の壁面について

特殊建築物の外壁打診調査の方法について

全面打診調査法

目視または部分打診調査法

外壁打診調査で使用される具体的方法

高所作業車

足場付き打診法

ゴンドラ

ロープアクセス

外壁打診調査を依頼する流れ

業者を探し見積もりを依頼する

契約締結をして、外壁打診を実施してもらう

業者から結果の報告を受ける

外壁打診調査の業者を探す際に注意すべきこと

実績のある業者選び

丁寧な対応かどうか

費用の安さ

まとめ

 

外壁打診調査の概要と必要性について

外壁打診調査は必ず実施しなければいけないのでしょうか。外壁は経年劣化に伴い、ひび割れや浮き、塗料の剥がれなどが生じます。傷んだ外壁を放っておくと、外壁のひびから雨水が侵入し、カビなどの原因を引き起こします。

また、タイルが剥がれ落ち、歩行人に被害が及ぶ可能性があります。外壁調査を義務付けられている建物以外でも、積極的に外壁の点検を行っていく必要があります。

 

外壁打診調査とは?

外壁打診調査とは、専用のハンマーで外壁を叩き、跳ね返ってくる音の反応で調ベル方法です。劣化が進んでいる箇所を叩くと、すぐにわかるので精度の高い調査方法といわれています。

特定建築物に該当する建物は定期検査を行う対象となっています。平成20年の建築基準法の改正に伴い、特定行政庁に指定された「特定建築物」は定められた期間に外壁調査を行い、報告しなければいけません。

外壁調査は13年の周期で部分的な打診調査を行い、10年ごとには全面打診調査を行う必要があります。学校や病院などの特殊建築物に該当すれば、国や自治体に報告する義務を負います。

 

外壁打診調査の必要性について

義務付けられていない建物でも、外壁打診調査を積極的に行うべき理由は大きく分けて2つあります。

1つめの理由は、外壁の劣化を防ぐためです。外壁は雨風にさらされているので、建物の中で傷みやすい部分でもあります。外壁にひびが入っていると、雨水の侵入を許し、カビを誘発します。また、塗装がはがれると景観も損ない、定期的に外壁調査を行うことが必要とされています。

2つめの理由は、通行人にけがをさせないためです。傷んだ外壁を放置して、剥がれ落ちた外壁が歩行人に当たると大きな問題となります。特定建築物などは定期的な外壁調査の対象ですが、対象外の一軒家でも外壁に異常がないか定期的に調査をすることは大切です。

 

外壁調査の種類

外壁調査には大きく分けて、2種類の方法で調査できます。どちらもメリットやデメリットがあり、建物に応じて調査方法を選択することをおすすめします。どのような調査方法があるか具体的に見ていきましょう。

 

打診調査法

打診調査法とは、外壁を専用のハンマーで叩き、音で判別する調査方法です。外壁打診調査法は、足場を設置して外壁を調査する方法、ゴンドラや高所専用車など機械を用いる方法などあります。

打診調査の特徴としては、精度が高い点が挙げられます。一つ一つ丁寧に外壁を叩き調査を行うので、外壁の損傷度を細かく調べられます。一方、建物が大きいと時間がかかるのがデメリットの1つ。時間が長くかかるだけでなく、費用も高くなる傾向にあります。

足場を設置する方法では、外壁調査の費用に加えて、足場の設置費用も追加でかかることもあるので注意が必要です。

 

赤外線調査法

赤外線調査法とは、赤外線カメラを使用して外壁内部の温度差をもとに判断をする方法です。外壁が浮いていると、その部分の温度が変化するので、赤外線カメラで調べることが可能です。

赤外線調査法の特徴は、比較的費用が安く、時間も早く終わるという点です。調査方法も作業員が直接赤外線を使用する方法とドローンを利用して調査する方法があります。

ドローンを利用する場合は、足場を設置する必要がないので、外壁調査時間がものすごく短いです。撮影された赤外線の映像をもとに解析して、外壁の調査を行います。その結果を依頼人にフィードバックするので、映像で確認できるのもメリットです。

ただし、打診調査法と比べると、赤外線調査法はやや精度が劣ります。また、天候や気温に左右されるので、雨天時には作業が行えない場合があります。ドローン飛行禁止区域では、そもそも実施できないので、それらを考慮してどちらを選択するか考えなければいけません。

 

 

特殊建築物は外壁調査の報告義務があるって本当?

特殊建築物に該当する建物の場合、外壁調査の報告義務があります。平成20年度の建築基準法12条の改定により、特殊建築物定期報告制度が導入されました。建物の所有者は定期的に外壁を調査し、行政庁に報告しなければいけません。

そもそも特殊建築物はどのような建物が該当するのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

 

特殊建築物とは?

外壁打診調査の報告義務が発生するのは特殊建築物に該当する建物です。一軒家のような小さな建物は特殊建築部に該当しません。

特殊建築物とは、主に学校や病院、百貨店、ダンスホール、遊技場、劇場、集会場、観覧場、展示場、共同住宅、寄宿舎、倉庫、公衆浴場、工場、自動車車庫、火葬場、汚物処理場、畜場など不特定多数の方の出入りがある建物です。これら以外にも、同じような用途に該当する建物も特殊建築物扱いとなりますが、特定行政庁によって、基準が違います。

 

報告義務の壁面について

報告義務の外壁にも基準があります。モルタル張りやPC付け工法、接着剤張りなどのタイル張り外壁が対象となっています。タイル張りの外壁はこれ以外の方法で乾式工法があり、下地金物にタイルを引っ掛ける方法があります。この手法は、報告義務の対象外とされています。

 

特殊建築物の外壁打診調査の方法について

特殊建築物の外壁打診調査方法についても2つの方法が義務付けられています。1つめは、「目視もしくは部分打診調査法」。2つめは、「全面打診調査法」。このどちらを行うかは年数によって定められています。

 

全面打診調査法

特殊建築物は10年ごとに、全面打診調査を行うことが義務付けられています。打診調査の方法は、専用のハンマーで外壁を叩き、音の反応で判断する打診調査法と赤外線を使用した赤外線調査法のどちらでも構いません。

打診調査法では、足場を設置して、外壁部分を叩いて調査していきます。足場を設置しなくても、ゴンドラや高所作業車などを利用する方法もあります。打診調査法は精度が高いのがメリットです。

赤外線調査法は、赤外線カメラを使用してタイルの温度を調べます。浮いている部分があれば、温度が変わり、不具合部分として見つけられます。近年では、ドローンに赤外線カメラを装着させる方法もあります。赤外線調査法は、費用が安く、調査期間が短いというメリットがありますが、打診法に比べると精度が劣るともいわれています。

 

目視または部分打診調査法

特殊建築物では、23年ごとに目視または部分打診調査を行うことが義務付けられています。調査内容としては、目視や双眼鏡などで確認し、手の届く範囲を専用のハンマー叩いて調査します。足場を設置せず、手の届く1階部分や階段、バルコニー部分などを調査していきます。

 

外壁打診調査で使用される具体的方法

外壁打診調査の方法はいくつかあります。専用器具を使ったり、高所作業車を使ったり、足場を作ったりとその建物に応じて適切な方法が違います。外壁打診調査を行う際に具体的にどのような方法があるか見ていきましょう。

 

高所作業車

1つめには、高所作業車があります。高所作業車を利用すると、足場を設置する必要はありません。また、屋根や屋上からロープを降ろす必要もなく調査できるので、比較的スムーズに外壁調査を行えます。

ただし、高所作業車で調査が可能は範囲が限られることがデメリットとして考えられます。上下するリフト区間しか作業できないので、大きな建物にとっては効率が悪かったり、狭い道路ではそもそも高所作業車が入れない場合もあります。警備員の派遣や高所作業車の利用により、費用が高くなる可能性もあります。

 

足場からの打診法

2つめの方法は、足場からの打診法です。足場を設置し、外壁全体を効率良く調査できる方法です。足場を設置して作業するので、外壁作業の自由度が大きく、広い範囲を調査することが可能です。

ただし、足場を設置したり、解体したりする時間がかかるので、外壁調査時間が長くなることもあります。足場を設置する費用が、外壁調査に追加でかかることもあり、費用がかなり高くなります。建物が大きい場合は、足場設置が有効ですが、小さな建物では、効率が悪くなる傾向にあります。

 

ゴンドラ

3つめの方法はゴンドラを使用する方法です。ゴンドラを使用する場合も足場を設置する必要はありません。屋根や屋上から専用のゲージを降ろし、作業員がゲージの中から作業を行います。

足場を設置しなくてもいいので、建物によっては足場設置の時間や費用を削減できます。ただし、建物によっては屋根からゲージを降ろせないことがあるので、そもそも使用できない場合もあります。ゴンドラの専用機械が必要なので、その分のコストも考えなければいけません。

 

ロープアクセス

4つめの方法は、ロープアクセスです。ロープアクセスは屋上や屋根からロープを降ろして作業員が調査していく方法です。こちらも足場設置が不要で、低価格で利用できるのがメリットです。

ゴンドラのような専用の機械は使用せず、レスキュー隊が行っている技術を採用しています。屋根や屋上からロープを降ろせる環境であれば、おすすめの方法です。

 

外壁打診調査を依頼する流れ

外壁打診調査を依頼する場合は、外壁調査を行っている業者を探さなければいけません。業者を探してから結果報告を受けるまでの流れについて詳しく見ていきましょう。

 

業者を探し見積もりを依頼する

まずは業者を探しましょう。多くの業者はホームページで連絡先などを載せてくれています。近くの業者が外壁打診調査を行っているか調べましょう。もし、ネット検索しても見つからない場合は、地域の担当課に相談できます。

建築指導局が都道府県ごとに担当課を設置しているので、問い合わせて確認することをおすすめします。

業者を見つけられたら、次はだいたいの見積もりを出してもらいます。調査方法によって、費用の相場が大きく異なります。できれば、他の業者にも見積もりを出しておき、適切な相場の費用で受けてくれるか確認しましょう。

中には悪徳業者も存在して、費用相場と大きく違う金額を提示する業者もいます。見積もり価格から信用できる業者を探すようにしましょう。

 

契約締結をして、外壁打診を実施してもらう

見積もりが終われば、契約を行い、工事の日程などを取り決めます。足場を設置する方法や赤外線法など、外壁調査の方法によっては1日で終了することもあります。足場を設置する方法は、設置から解体まで長い時間かかることを理解しておきましょう。外壁調査の日程が決まれば、あとは調査を行って外壁の状態についての結果を待ちます。

 

業者から結果の報告を受ける

外壁打診調査が終われば、業者から報告を受け取ります。外壁調査の内容と報告書に違いがないか、自分の目で確かめましょう。外壁打診調査を行っている日は、工事の立ち合いをして、どの部分を調査しているか確認することが大切です。報告書に問題がなければ、調査結果を地域の担当課に提出して終了となります。

 

外壁打診調査の業者を探す際に注意すべきこと

外壁打診調査の業者を探すときに注意すべきことがいくつかあります。以下の注意点を知っておくことで、良い業者かどうか判断できます。どのような点に注意すればいいか具体的に見ていきましょう。

 

実績のある業者選び

実績のある業者を選びましょう。依頼したい業者のホームページなどで確認できます。ホームページに記載がなければ、利用した方の口コミなどを参考にすることをおすすめします。

実績のある業者は外壁調査に慣れている可能性があります。あまり実績がない業者に依頼すると、スムーズに作業が進まない可能性があります。依頼したい業者のホームページを一度確認してみましょう。

 

丁寧な対応かどうか

丁寧な対応かも重要です。連絡の早さや説明の丁寧さが外壁調査の作業の丁寧さに比例すると思ってもいいでしょう。あまり説明がないと、外壁調査が完了した際に、不安に感じてしまう可能性があります。

外壁調査はすぐに終わる場合もありますが、長い期間業者とやり取りが必要な場合もあります。ストレスをためないためにも良い業者選びが重要です。どんな作業をするか細かく説明してくれる業者を探しましょう。

 

費用の安さ

費用の安さも重要です。業者や調査方法によっても違うので、金額が大きく異なることがあります。なので、業者に外壁調査の見積もり依頼する前に、あらかじめ外壁調査の費用の相場を調べてから依頼するようにしましょう。

相場とかけ離れた金額を提示してきた場合は、他の業者と比較することが大切です。1つの業者だけに依頼するのではなく、複数の業者に見積もりを立ててもらうことで、適正価格を知ることが可能となります。

また、安すぎる業者も注意が必要です。安すぎる業者は、丁寧さに欠ける場合があります。高すぎる価格や安すぎる価格を提示してきた場合は注意が必要です。適正価格で依頼を受けてくれる業者を探すようにしましょう。

 

まとめ

外壁打診調査の概要や特殊建築物の調査範囲、方法について解説させていただきました。特定建築物は決められた期間に外壁調査を行わなければいけません。外壁調査は、景観を保つだけでなく、通行人などの安全を守るためにも定期的に行う必要があります。

特殊建築物でなくても、外壁調査を定期的に行いましょう。経年劣化とともに、外壁がひび割れ、そこから雨水が侵入して、カビの原因を引き起こしたりします。定期的に検査することで、建物の寿命を延ばせます。

 

また、外壁調査を依頼する際には、費用の安さやサポートが充実している業者選びが重要です。ご自身の建物にあった外壁調査の方法を選び、信頼のある業者に依頼するようにしましょう。