竣工からある程度の年月がたった建物は風や雨などの影響を受けて老朽化も進み、
建物の外壁に張ってあるタイルなどが落下をしてしまう可能性は高くなります。
万が一、何らかの原因で外壁が剥がれ落ちて落下をしてしまったときに、その下を通行人が歩いていたとしたら、
単なる外壁の落下だけではなく重大に事故に発展してしまいます。
もしも、剥がれ落ちた壁が通行人に当たってしまい怪我人がでるような事故になった場合、
管理体制の不備に関して大きな問題となったり、怪我人に対する損害賠償の問題が発生することになります。
そのため、平成20年4月1日から建築基準法第12条(特殊建築物の調査義務)にもとづく定期報告制度が変更されることになり、
定期的な診断に加えて、竣工または改修等から10年を経た建物については全面打診調査を行うことが義務付けられるようになりました。
これまではたとえ定期的な診断を怠ったとしても罰則が科せられるようなことはありませんでしたが、
建築基準法による制度が変更されたことに伴って、
定期報告の怠りや虚偽の報告などがあった場合には百万円以下の罰金が科せられるようになりました。
具体的な方法は、壁をテストハンマー、打診棒を使用して反響音を確認し、タイルなどの浮きがないかを調査することになります。
また、対象が広範囲に及ぶような場合や高所の壁を調べるような場合には、赤外線を照射するなどの方法で効率的に行うことになります。